○駿東伊豆消防組合危険物取扱者免状返納命令事務処理要領

平成28年4月1日

消防本部訓令甲第8号

(趣旨)

第1条 この要領は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第13条の2第5項及び総務省消防庁の定める運用基準(危険物取扱者免状の返納命令に関する運用基準の策定について(平成3年12月19日付け消防危第119号通知)別添の危険物取扱者免状の返納命令に関する運用基準をいう。以下「運用基準」という。)に基づき行う危険物取扱者免状の返納命令に関する事務処理について必要な事項を定めるものとする。

(措置基準)

第2条 危険物取扱者(以下「資格者」という。)が行った行為が、別表に定める消防法令違反通告措置基準(以下「措置基準」という。)に該当する場合は、措置基準に従い違反事項の通知措置等を行うものとする。

(違反の調査等)

第3条 消防長又は消防署長(以下「消防長等」という。)は、消防職員(以下「職員」という。)から措置基準に該当する違反事案等の報告を受けたときは、必要に応じて職員にその事実関係を調査させるものとする。

2 前項の調査を命ぜられた職員は、違反に係る事実を確認し、把握するとともに、関係者、違反行為者等人的関係及び周囲の状況並びに社会的影響等の事実関係を明らかにしなければならない。

3 前項の調査を行った職員は、調査結果を速やかに消防長等に報告しなければならない。

(違反事項通知)

第4条 消防長等は、資格者の行った行為が措置基準に該当する場合は、当該違反者に対して違反事項通知書(様式第1号)により措置し、併せて始末書を徴収する。また、違反者の行った違反行為が管理監督者の責任に起因する場合は、管理監督者に対して文書にて注意を行うものとする。

2 違反事項通知書は、当該違反者に直接交付し、受領書(様式第2号)の提出を求めるものとする。

(措置の留保)

第5条 消防長等は、資格者の行った行為が措置基準に該当する場合であっても、情状及び行政効果を勘案して違反事項通知を留保することができる。

2 措置基準により算定した違反点数が3点以下であり、次の全てに該当する場合は、措置の留保に相当するものとする。

(1) 過去に措置基準に該当する違反を行っていないこと。

(2) 指摘した違反事項を直ちに改修したこと。

(3) これまでに、防災対策、防災教育等に実績があったこと。

(報告)

第6条 第4条第1項の規定により違反事項通知を行ったとき又は前条の規定により違反事項通知を留保したときは、危険物取扱者違反処理報告書(様式第3号)により、消防長に報告するものとする。

2 前項の危険物取扱者違反処理報告書には、違反時の状況を具体的かつ明確に記載した次に定める書類(以下「関係書類」という。)を添付するものとする。

(1) 危険物取扱者違反調査報告書(様式第4号)

(2) 違反者の供述調書(様式第5号)及び質問調書(様式第6号)

(3) 実況見分調書(様式第7号)

(4) 関係者等の質問調書(様式第6号)

(5) 違反者に交付した違反事項通知書の写し及び受領書の写し

(6) その他違反事実の立証に関係する資料

(違反点数の管理)

第7条 消防長は、前条の報告に基づき、違反者ごとに危険物取扱者違反処理台帳(様式第8号)を作成し、及び管理する。

(静岡県知事への報告)

第8条 消防長は、第6条第1項の規定による違反事項通知を行った旨の報告を受けたときは、運用基準第5の1の(1)に規定する危険物取扱者違反処理報告書を作成し、同条第2項第5号に規定する書類以外の関係書類を添付して静岡県知事に報告する。

(違反点数の算定)

第9条 資格者が措置基準上の違反を行った場合、当該違反行為に係る基礎点数に、これらの違反行為に起因して発生した災害及び人身に係る事故点数を加えた違反点数を算定する。

(1) 基礎点数の算定 基礎点数は、違反行為内容により措置基準に当てはめ、当該違反行為に係る点数を合計したものとする。

(2) 事故点数の算定 事故点数は、措置基準に示す災害事故点数及び人身事故点数のうち該当する項目の全てを合計したものとする。

 災害事故点数 法令違反に起因して災害事故が発生した場合には、当該事故の程度(大・中・小)により加点(6・4・2点)する。ただし、事故の種別が複合競合する場合は、事故の程度の大きい方をとり加点する。

 人身事故点数 法令違反に起因して人身事故が発生した場合には、当該事故の程度(死亡・重傷・中等傷・軽傷)により加点(20・10・8・6点)する。ただし、死傷者が複数人発生した場合は、そのうち最も重い程度の点数をとり加点する。

2 違反行為の内容が次の各号のいずれかに該当する場合は、違反点数を計上しないものとする。

(1) 違反行為につき、正当防衛、緊急避難その他の違法性阻却事由がある場合

(2) 行為者が無過失の場合

(3) 行為者が違法行為を行ったことにつき、真にやむを得ないと認められる事情があるため、措置をすることが著しく不当と認められる場合

(4) 違反行為が継続する性質の行為であって、即に措置したにもかかわらず違反行為が継続している場合については、措置を受けた者が違反を是正するに要する相当期間(講習受講義務違反については、措置後1年)を経過しない場合

(違反点数の算定管理)

第10条 違反点数は、消防長が管理する資格者に係る危険物取扱者違反処理台帳において、資格者が最新に行った違反行為に係る違反点数と当該違反行為を起算日とする過去3年以内に行われたその他の違反行為に係る違反点数の合計を個別に算定し、資格者ごとに管理する。

(違反処理報告の受理)

第11条 消防長は、静岡県知事から第8条の報告に基づく危険物取扱者免状返納命令の通知を受けたときは、危険物取扱者違反処理台帳に所要の事項を記載し、当該台帳につづり、保管する。

(補則)

第12条 この要領に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(令和4年3月30日消本訓令甲第1号)

この訓令は、令和4年4月1日から施行する。

別表(第2条関係)

消防法令違反通告措置基準

違反事項

基礎点数

事故点数

災害事故点数

人身事故点数

1

危険物の無許可貯蔵又は取扱い

(法第10条第1項)

指定数量の10倍以上

10

(加点要領)

(1) 資格者の違反行為と事故が因果関係を有する場合に当該事故の程度に応じて加点する点数を決定する。

(2) 事故の種別が競合する場合は、事故の程度の大きい方をとり加点する。

(加点)

① 事故の程度が小 2

② 事故の程度が中 4

③ 事故の程度が大 6

(加点要領)

(1) 人身事故の程度は、初診時における医師の診断に基づき分類し、加点する点数を決定する。

(2) 死傷者が2人以上の場合は、そのうち最も重い程度の点数を加点する。

(加点)

① 軽傷 6

入院加療を必要としないもの

② 中等傷 8

重傷又は軽傷以外のもの

③ 重傷 10

3週間以上の入院加療を必要とするもの

④ 死亡 20

事故発生後48時間以内に死亡したもの

指定数量の2倍以上10倍未満

6

指定数量の2倍未満

4

2

貯蔵及び取扱いの基準違反(法第10条第3項)

4

3

製造所等の無許可設置(法第11条第1項)

8

4

製造所等の無許可変更

(法第11条第1項)

火災発生等危険性の大なもの

8

その他のもの

3

5

完成検査前使用(新設後)(法第11条第5項)

8

6

完成検査前使用(変更後)

(法第11条第5項)

火災発生等危険性の大なもの

5

その他のもの

3

7

危険物の品名、数量及び指定数量の倍数変更届出義務違反(法第11条の4)

4

8

危険物の貯蔵及び取扱い基準遵守命令違反(法第11条の5)

5

9

製造所等の位置、構造及び設備の技術上の基準維持義務違反(法第12条第1項)

火災発生等危険性の大なもの

4

その他のもの

3

10

製造所等の位置、構造及び設備の技術上の基準適合命令違反(法第12条第2項)

5

11

使用停止命令違反(法第12条の2)

8

12

緊急時の使用停止、使用制限命令違反(法第12条の3)

8

13

危険物保安統括管理者選任義務違反(法第12条の7第1項)

8

14

危険物保安統括管理者の選任解任届出義務違反(法第12条の7第2項)

4

15

危険物保安監督者選任義務違反(法第13条第1項)

8

16

危険物保安監督者保安監督業務不履行(法第13条第1項)

4

17

危険物保安監督者届出義務違反(法第13条第2項)

4

18

資格外危険物の取扱い(法第13条第3項)

8

19

危険物取扱者保安講習未受講(法第13条の23)

4

20

危険物保安監督者解任命令違反(法第13条の24)

4

21

危険物施設保安員選任義務違反(法第14条)

3

22

予防規程無認可(法第14条の2第1項)

4

23

予防規程変更命令違反(法第14条の2第3項)

8

24

予防規程遵守義務違反(法第14条の2第4項)

2

25

保安検査拒否等(法第14条の3第1項及び第2項)

4

26

定期点検義務違反

(法第14条の3の2)

定期点検未実施

4

記録保存違反

3

27

危険物運搬基準違反(法第16条)

4

28

危険物取扱者の不乗車(法第16条の2第1項)

5

29

移動タンク貯蔵所の移送基準違反(法第16条の2第2項)

3

30

危険物取扱者免状不携帯(法第16条の2第3項)

4

31

事故発生時の応急措置義務違反(法第16条の3第1項)

4

32

事故発生時の通報義務違反(法第16条の3第2項)

4

33

事故発生時の応急措置命令違反(法第16条の3第3項、第4項)

8

34

資料提出命令違反、立入検査拒否(法第16条の5第1項)

4

35

移動タンク貯蔵所の停止措置違反(法第16条の5第2項)

4

36

危険物の除去命令違反(法第16条の6)

10

37

危険物取扱者の責務違反(上記以外のもの)(危政令第31条)

4

(注)この表において「危政令」とは、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)をいう。

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駿東伊豆消防組合危険物取扱者免状返納命令事務処理要領

平成28年4月1日 消防本部訓令甲第8号

(令和4年4月1日施行)